先月末に休暇をとって、湖畔のリゾートに泊まりました。
4月以後、息子は小学生になり、私は仕事が多忙を極め、帰宅すると、夫が用意してくれた夕食を取りながら、夕食と入浴を済ませた息子の宿題と翌日の持ち物準備に指示を出しつつ、その日の話を聞く、という、慌ただしい毎日を送っています。
7月には夫が念願叶って退職し、当面は専業主夫をしながら次の道を考えることになりました。その直後に義父が倒れ、夫は父親の病院と自宅での息子の世話に奔走しています。夫にとって、そういう役割を果たすべきタイミングなのでしょう。
大黒柱になった私は、働き過ぎに気をつけつつも、家計を細々と支えなければいけないわけです。いまのこの職場で、どんなに過酷な壁にぶつかっても(屢々ぶつかっているのですが)、それを乗り越えて自分の役目を全うするしかありません。
湖畔を見下ろす丘のへりに建つホテルからは、雄大な山の稜線と、広い空と、碧い湖が見えるばかり。
きこえる音といえば、鳥のさえずりと一足早い秋の虫、木や草が風に揺れる音だけでした。
台風の影響で垂れ込めかけていた黒い雲のすきまからは、時おり、神々しい光が湖面に降り注いでいました。
この何もない、壮大な光景を前にして、息子も夫も私も、ただ黙って優しい風に吹かれていました。
夏の終わりに、短くとも豊かな静寂の時間を持てたことは、なにかとても、貴重なことでした。
実りの秋に、私たち家族に、祝福のあらんことを。