読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アエラのワーママ白書にウンザリした女子たちへ

アエラ10月6日号(9/29発売)のワーママ白書を読みました。

朝日新聞出版 最新刊行物:雑誌:AERA:AERA 2014年10月6日号

実は、先月上旬にアエラの記者の方から取材ご依頼のメールをいただいていたのですが、最近ずっと通信制大学の課題にかかりきりでチェックしておらず、気がついてお返事したのは入稿締切の夜。また機会があればご協力させていただきますとお伝えしました。

そんなこともあって、アエラのワーママ関係記事はいつも本屋でパラパラとななめ読みする程度だったものの、今回は購入して熟読。

えっと…正直なところ、はあぁ~・・・なんかもう、ウンザリ・・・というのが最初の感想でした。とにかく、読んだだけでドッと疲れたのです。それが狙いなら、記者のみなさん、もうお見事です!!てくらい。

 

この特集が一番伝えたいメッセージは何なのか?

まず前提として、私がワーママ関連の記事を読むときの視点は、常にワーママを巡る言説を、ワーママ予備軍はどのように受けとめるのかという点にあります。自分を含めた既存のワーママ&パパたちが育児と仕事をよりしやすい環境が整って欲しいという願いはもちろんあるものの、予備軍が近い将来ワーママになってくれなければ、少子化の進行はますます加速するでしょうから。

 

それでは、具体的に内容を見ていきましょう。各記事のタイトルは上記リンク先にありますし、さらに記事内容を読みたい方はこちらをご参照下さい。

「変革するワーママたち」は、超ハイスペックなママたちのワークライフバランス変革事例。「213人のリアル」は、高学歴ワーママたちの嘆き節満載のアンケート結果。「仕事と子育て「両立」しないとダメですか」は、両立を諦めて辞職・転職した事例。その他、孫育てを頑張り過ぎて疲弊する祖母たちの嘆き、共働き家庭の結構ヒサンな食卓事情、在宅勤務ルポetc.と、なかなか充実しています。

目下奮闘中のワーママたちにとっては、「うんうん、わかる!」と共感したり、食卓の貧しさに「うちも同じ」と安心したり、実母たちの本音にドキッとしたり…と、よく読めば「お役立ち」だし「面白い」内容ではあると思います。

そして、所々に散りばめられる、ワーママたちを励まし元気づけようとする言葉たち。これらこそ、記者たちが伝えたいメッセージでしょう。

ワーキングマザーたちはもう、めいっぱい頑張っている。正解なんてない。自分らしくいればいい。いつも笑っていなくてもいい。ただ、愛しい人に誇れる私でいたいだけなのだ 

 

 ワーママよ もっと自由になれ

この特集の担当記者は全員女性。おそらくは、子育て中あるいは子育て経験者の方も多いと思います。みなさんきっと、現状の問題点を取り上げて、どうしたらよりよい育児&職場環境をつくれるかを真摯に考えて紙面を作り上げたことでしょう。

それにも拘わらず、読んでウンザリしたのはなぜか? それは、記者たちが伝えたいメッセージと、実際にこの特集全体が読み手に与えるメタメッセージが食い違っているからだと思います。

 

この特集が伝えてしまうメタメッセージは何なのか?

「メタメッセージ」については、少し前に読んだ養老孟司先生の『「自分」の壁』にとてもわかりやすい説明があったので、以下引用します。

メタメッセージとは、そのメッセージ自体が直接示してはいないけれども、結果的に受け手に伝わってしまうメッセージのことを指します。

たとえば私の生まれた日の新聞を見てみれば、すべてが支那事変関連のことばかりです。それはつまり、「今、中国で行われている戦争以外に重要なことはない」というメタメッセージになっている。もちろん、そんな表現は紙面のどこを見ても書いてありません。中国や日本で起こっている個別の事件、事象を伝えているだけです。しかし新聞の読者は知らず知らずのうちに、「戦争以外に重要なことはない」というメタメッセージを受け取ってしまうのです。

 

 

「自分」の壁 (新潮新書)

「自分」の壁 (新潮新書)

 

 

それでは再び紙面に戻りましょう。この特集全体で特に目立つのは、ワーママ生活の過酷な実態ばかりです。

体は悲鳴を上げていた。朝は重りがついたように起きられず、帰宅すると玄関で座り込んだ。それでも娘を寝かしつけた後、午後10時には自宅で持ち帰り仕事を再開し、寝るのはたいてい深夜2時、3時だった。

特に、アンケート結果はもう悲惨としか言いようがありません。

「10分でいいから、自分の時間がほしい。椅子に座って、コーヒーを飲むだけの時間もないんです」

「虫歯になっても歯医者に行く時間がない。歯くらい治したい」

6割が子に後ろめたい

これ以上何を頑張れば

余裕は許されない……etc.

ここに書いてあることは、どれも「リアル」な生の声に違いありません。ワーママを取り巻く環境は、実際厳しい。

それにしたって、どうしてこんなネガなことばかり書いてあるのでしょうか。そんなにみんな不幸なの? あるいは、はなからネガティブな情報しか抽出していないの?

いずれにせよ、これを読んでワーママ予備軍が受ける印象=メタメッセージは、こんなところではないでしょうか。

働きながら子育てするということは、ひたすら仕事と家事育児に明け暮れて自己のすべてを犠牲にし、少しでものんびりしたり楽しんだりすることは許されないのね、と。

そんなことになるくらいなら、まだ当分(または生涯)、子供はいいやと思うのが道理ですよね。

実際には、記事には自らワークライフバランスの取れた生活を実現するために前向きな変化を起こした事例が書いてはあるものの、いずれもハイスペック・ハイモチベーションな方ばかり。それなりに働いて、それなりに育児をして、それなりに日々を楽しみたいという女子には、あまり参考になりそうにありません。むしろ、そのハードルの高さに怖れをなすばかり…。

 

「ワーママ白書」のメタメッセージにうんざりした、ワーママ予備軍女子の皆さん!! 大丈夫、ワーママ生活はこんな苦闘だけではありません。ワーママ生活を100%苦闘の日々にするか、けっこう楽しい毎日にするかは、本人の考え方次第なんです。ここから先は、そのコツを伝授したいと思います!(なんだか、ナントカ商法みたくなってきた?)

  

ワーママの苦闘二元論

と、その前に。まずは、ワーママの「苦闘」の中身を整理してみましょう。ワーママの苦闘には大きく分けて2つある、と私は考えています。生理的苦闘社会的苦闘です。

 

生理的苦闘とは、母子双方の生理的欲求を満たすことです。これは、やるしかない。やらないと死ぬからです。

子育ての生理的苦闘の最高潮期は、もちろん出産。私たちは甘く考えがちだけど、どんなに医療が高度化しても、出産時にどちらかが命を落とすことは今でもあり得ます。

そして、子どもが自分で主体的に何かを食べたり排泄したりできるようになる2~3歳頃までは、生理的苦闘の比率は比較的高めです。母乳(ミルク)や離乳食をやり、排泄の世話をするだけでもかなり大変。

忘れてはいけないのは、この苦闘にはかなり個人差があるということ(母・子双方とも)。夜泣きがひどい子もいれば、スヤスヤとよく眠る子もいる。授乳時間が異様に長い子もいれば(うちがそうでした)、短い子もいる。赤ちゃんの個体差はかなり大きく、マニュアルどおりにやれば解決するものではない。母親の体力も個人差が大きい。生理的苦闘の度合いは易々とコントロールできるものではなく、とにかくそれを受け入れるしかないものです。

この点に関しては、母親自身も、また母親をとりまく社会もまだまだ理解が足りないし、制度面でのサポートも必要でしょう。でも、どれだけ制度が整っても避けられないことは事実で、これについてはある程度覚悟するしかありません。

 

社会的苦闘とは、社会的規範、他者からの期待、自分自身の社会的願望(どれだけキャリアアップするか、何をしたいか)に、どれだけ応えるかということです。そして、こちらの方は、ハードルの高さを自分でいくらでも調整できるのです。

 

…と、ここまで書いて、これは何かに似ていると気づきました。もしかしたら、私より前にお気づきの方もいますよね? そう、マズローの欲求5段階説です。

自己前のワーママ苦闘二元論マズローの5段階説に当てはめて詳しく分析することもできますが、今回はやめておきます。但し、このことでわかるのは、私が言うワーママの「苦闘」というのは、「欲求」の裏返しだということです。

 

復職後に陥りがちなのは、いらぬ社会的苦闘に身を費やして疲弊することです。最初のうちは「少しでもいい母親でありたい、いい会社員でありたい、家事もきちんとやりたい」と気負っているので、全方位的にハードルを高く設定しがち。しかも、自分ではなく他者(社会の暗黙の規範、職場、子ども、夫)の欲求に沿うことばかりに力を注いでしまうので、自分を極限まで犠牲にしてしまいます。

こう考えると、職場復帰直後の1、2年が正念場であることは間違いありません。生理的苦闘もマックス状態なのに、社会的苦闘のハードルも上げてしまう。無理です、ムリムリ。その結果が、アエラのアンケートに見てとれます。この正念場期間は、夫や職場の協力・理解を得ながら、子どもと自分の生理的欲求を満たすことを最優先しましょう。軽視しがち、かつ、最重要なのは、体調を維持できる程度の睡眠時間だけは確保すること。でないと、倒れますから。

 

いずれにしても、子どもが3歳くらいになれば生理的苦闘はかなり軽減されます。この頃にふたりめの子ができるケースも多いですが、その頃には手の抜き加減もだいぶわかってくるようです。

こうなれば、あとは社会的苦闘とどう向き合うかがメインになってきます。この苦闘を「楽しさ」や「やりがい」に転換すれば、ワーママ生活はけっこう楽しい毎日になりますよ!

 

楽しいワーママ生活 マチ子編

社会的苦闘を「楽しさ」や「やりがい」に転換する。このときに大切なポイントは2つです。

  1. 子どもは一旦脇において、自分にとって大切なこと、自分が一番楽しいことは何かをまず考える(思い出す)。
  2. 罪悪感は捨てる。捨てられないなら、環境を変える。

私がいまの「けっこう楽しい毎日」を手に入れるまでの経緯については、以下をご参照ください。


ワーママだけど大学生もやってます。 - 街場のワーキングマザー日記

 

私にとって一番大切なのは、少し大げさに言えば知的・芸術的関心を失わないことでした。本を読んだり芸術作品に接しているときは五感が活性化されて一番楽しい。これを放棄したら自分が自分でなくなってしまう。

だからまず、一番やりたかった芸術学の勉強をし始めました。

やり始めてすぐに、体に生気が戻ってくるのを感じてゾクゾクしました。そうだった、私がやりたいのはコレだったーー!!たとえ仕事のストレスがあっても、これさえあれば耐えられる!!

でも、仕事のストレスはやっぱりキツいし、息子が3歳になると時短がなくなり、「残業するのが当たり前」の職場でさらに肩身が狭くなる。

仕事も給料もソコソコでいい。時間内にストレスなく仕事ができて、子どもとの時間や勉強時間を確保できる環境が欲しい。だから、息子が3歳になる前に、そんな環境を求めて転職しました。基本的には残業不要で、ストレスなく働ける環境に。

そうしたらもう、楽しくって仕方ありません!基本的には残業がないので子どもに対して罪悪感を抱く必要もない。罪悪感って、子どもにとってはいい迷惑でしょう。「ごめんねごめんね、私のせいでガマンさせてるよね」なんて親が常に思ってるのがわかったら、子どもは自分のせいでお母さんが苦しんでると思っちゃうでしょう。そういうの、面倒くさかったんです。

 

街場家の日常

もともと、うちは夫も「仕事も給料もソコソコでいいから早く帰りたい」人で7~8時頃には帰ってくるので、毎日家族3人で晩ごはんを食べてます。ちなみに、夫はメチャクチャ料理上手なので、私がお迎えに行っている間に夫が先に帰っていれば夕食の支度が終わっていることもあるし、ふつうは2人で準備します。週末は完全に夫が料理担当(平日用の作りおき含む)で、後片付け、洗濯、掃除その他は私。

料理が下手とか嫌いってわけではないけど、夫があまりに料理上手で手際もいいので、私の料理はテキトーです。遠足のお弁当は私がつくりますが、キャラ弁なんてつくりません。栄養のバランスが取れてて美味しければ、それでよし。息子がそれで文句言ってきたことなんてありません。

最初のうちは「私もがんばって料理の腕をあげなくちゃ!」と気負ってましたが、最近はもう、夫が上手なんだからそれでいいじゃんと開き直ってます。夫よアリガトウ!!

夫はお菓子類はつくらないので、せめてそっちはがんばろうかな?とも思いましたが、ほとんど作ったことありません。そもそも、実母も共働きでお菓子作ってもらったことなんかないし、子どもが食べたがれば美味しいケーキを買って帰ります。

 

お菓子を作るようなヒマがあったら、夫と好きな映画や録画したテレビ番組を観ます。よく、「子ども番組ばっかりで好きな映画なんか観れない!」という方もいますが、うちはガマンしません。そのあいだ息子は遊んでますが、ふと気づくと一緒になってじっと観てます。「あのひと、どうして泣いちゃったの?」とか訊きながら。

 

ママ友との関係についても、巷ではネガティブな話ばかりが溢れてますが、私はママ&パパ友とのお付き合いを十二分に楽しんでます。

「夫もいないし今日ゴハンつくりたくない!パーッと飲みたいわあー!」と思ったら、保育園のクラスのパパママでつくったFacebookグループで「飲みませんかー?」と声掛けすれば、すぐに2,3組は集まります。保育園の近所のお店に行くこともあるし、最近は子どもたちも大きくなったり、下の子もいたりするので、誰かの家にお惣菜持ち寄り&デリバリーして家飲みすることも。そのうちに仕事が終わったパパたちも集まって、ワイワイ宴会です。

以前は「平日に家に人を呼ぶなんてムリ!」と思ってましたが、ルンバ様がスイッチオンでお掃除してくれるから大丈夫。あのね、家なんて、床にゴミさえ落ちてなけりゃいいんです。だってどうせ、幼児どもが10分もたたないうちに完膚なきまでに散らかすからです。

保育園のパパママネットワークは最強ですよ。共働きの大変さを分かち合えるから、連帯感があるんです。仕事しているだけでは決して出会えない様々な職種の方たちとお話できて、本当に刺激になります。うちのクラスは子どもをパパたちに任せてママ飲み会をすることもあれば、パパ飲み会もあります。うちのパパたちは定年後に孤独な老人にならなくて済むね☆とママ同士も安心してます。10家族ほどでキャンプに行くこともありますよ。

 

いかがでしょう? ソコソコ働き、ソコソコ育児し、あとは楽しむ。いま、かなりハッピーなワーママ生活しています。

 

もちろん、様々な要因が重なって、私はすごくラッキーな部類なのだとは思います。本当に、色々なこと・色々な人に感謝・感謝の毎日です。でも、何よりもまず、自分が主体的に楽しもうとし、そのように行動しているか、ということが大切だと思います。

「そんなのムリ」だと最初から決めつけないでください。「いいなあ」と思うことがあれば、やってみて下さい

 

人生は楽しんでナンボです。ワーママ予備軍女子たちよ、恐るることなかれ。大丈夫、ワーママ生活は、あなた次第でいくらでも楽しくなります!