【2003年5月26日の日記】誠実な人

※ご注意※こちらは、夫と13年前に付き合い始めてから6年を経て結婚するまでの「バツイチ男と結婚するまでの話」というシリーズものであり、本エントリは2003年5月26日当時のWeb日記の内容をそのまま掲載しています。詳しくは以下の一覧をどうぞ。


バツイチ男と結婚するまでの話 カテゴリーの記事一覧 - 街場のワーキングマザー日記

 

私のカレは「セクシィでキレイなおねいちゃん」がだあ~い好き。街を歩いていると、「あ、今のおねいちゃんイヤラしい! う~、ヤラせてくんないかなあ~、ダメかなあ~」だの、「う~、俺の夢はきれいなおねいちゃん1万人切りなのにぃ。こんなにいっぱいキレイなおねいちゃんがいるのに一人もヤらせてくれないなんて(って、アンタ見てるだけだがな)、ボクって不幸っ」だの、忙しい(笑)。ま、一見LEONあたり読んでそうな「渋いオヤジ」風なのだけど、お金ないからねえ…若くてキレイな女の子を釣るのはちと難しそう。

 

でも、実際に浮気経験は何度かあるらしい。元妻と付き合っていた10年間のうちに、4回ほどあるそうだ。いずれも“不倫”とういほどのことではなく、その場のノリで寝てしまった程度らしいけど。バレたこともないという。

 

それでも浮気は浮気。「浮気はイヤだよお~! しないでよお~!」とジタバタしながら抗議するのだけど、「そんなこと言ったって、男の下半身は上半身とは別物なのっ! もしそうなったら仕方ないのっ!」と主張するカレ。

「男は浮気する生き物なんだよ。そうなっても仕方ないと思え。イヤだっていうなら別れるしかないだろ」

 

最初のうちは、こういう言い方がすごくイヤだった。悲しくなった。でも、最近はカレの真意がわかるようになった。 先日も、カレが言った。

「なあマチ子、俺は浮気するかもしれないよ。『絶対に浮気なんかしない!』なんて俺は約束できないよ。他の男はどうか知らないけど、俺はキレイなおねいちゃん大好きだし、チャンスがあったら『据え膳食わぬは男の恥』とばかりヤッちゃうかもしれない。マチ子のこと好きかどうかってこととは別問題なんだよ。

浮気がバレてマチ子が傷ついたら、俺はきっと、すごく申し訳ないことしたなあと思うよ。マチ子のこと大切なのに傷つけてしまって、後悔するだろうと思う。でも、それでも俺は『浮気しない』と断言はできない。だからといって、マチ子のこと好きじゃないってことじゃないからね。勝手かもしれないけれど、どうしようもないことなんだ。わかるか?」

「うん、わかるよ。男の人がキレイなおねいちゃんとセックスしたいって思うのは自然なことだと思うし、だから『浮気しない』と約束できないっていうのもよくわかる。頭ではちゃんと理解できるよ。でも、いざそうなったら、私はやっぱり悲しくて悔しくて大泣きしちゃうかもしれない。理屈ではわかっていても、悲しいものは悲しいもん。それはわかってね?」

「うん、わかったよ。そうなったら、悲しませたのは俺なんだから、覚悟してマチ子の怒りとか悲しみとか受け止めるよ。せめてそれぐらいはしないとな」

「うんっ!」

 

「誠実」という言葉には色々な解釈の仕方があるだろう。人によっては、この場合にふさわしくないと思う人もいるだろうけれど、私はこのとき、カレは本当に誠実な人だと思った。私はカレという人間を信頼していていいんだな、と思った。「俺は一生浮気なんかしない!」と言われるより、100倍も真実味があったもの。

 

以前、カレは「いつ別れるかなんてわかんないだろ」というようなこともよく言っていた。私はこれもすごく悲しくてイヤだった。まあ、大学時代から付き合っていた元妻と10年経って離婚してしまったのだから、説得力はある。その後に付き合った元彼女とも結構こっぴどい別れ方をしたらしいし、付き合い始めた頃は、私の愛情を信じることに恐れを感じていたのだろう。

それに、実際のところ、私自身も自分の気持ちに自信がなかった。結婚願望が強いのにこんな先の見えない人と付き合い続けていいものなのか、という迷いが常にあった。だから余計に、「いつ別れるかなんてわからない」という言葉に過剰に反応していた。

でも、カウンセリングを通して彼に対する自分の愛情を確信できて以来、彼にストレートに愛情表現するようにしてきた。すると、私の思いがきちんと通じたようで、カレも「別れ」という言葉を口にすることが少なくなった。 今でもたまーに「で、ボクたちいつ別れるわけ?」なんて冗談半分に言うことがあるが、もう恐くない。

 

いつ別れるかなんてわからない…それは、いつ死ぬかわからないのと同じように当然のことだ。カレはそれを離婚というかたちで経験したし、私だって幾度となく出会いと別れを繰り返してきた。

でも、だからこそ「今」を大切にしよう。今お互いがここに一緒にいて温かい気持ちでいられるということを大切にしよう。この一瞬一瞬を積み重ねていって、死ぬまで一緒にいられたら結果オーライ、別れても結果オーライだ。

…そう思えるようになったから、最近はいつも心穏やかで幸せです。これからもずっと一緒にいられるといいね。

 

四十路マチ子のコメント:

クリスマスの大事件から5か月が経ち、もはや達観しつつあるアラサーマチ子です。 

あの一件によって、私は夫との向き合い方の要所を掴んだんですね。もちろん、それ以後も小さなトラブルみたいなものはあったとは思うのですが、「思うのですが」ってくらい記憶に残っていないのは、その都度うまい具合に危機を回避したり乗り越えたりしてきたからです、おそらく。

 

ちなみに、夫がこの後浮気したことがあるかどうかはわかりません。少なくとも、私が感づくようなことは、これまでに起きたことはありません。本当のところはわかりませんけどね。ま、上記のような「不倫とは言えない程度の浮気」をもししたことがあるのだとしても、それで本人がhappyだったのなら、それでよしとしましょう。だって、私が浮気しないとも限らないし。ね!

 

さて、アラサーマチ子の赤裸々恋愛日記も、いよいよ次が最後です。