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ワーキングマザーはネットで群れる。

自分のこと ワーキングマザー このブログについて

 

これが、ワーキングマザー歴4年目のいま実感していることであり、ブログを書くうえでの大きな壁でもあります。

でも、私はこのブログを、ひとりのワーキングマザーの立場から、主にワーキングマザーではない人たちに向けて発信する場にしたいのです。

そう思うに至ったいきさつを最初に書くことで、自己紹介とかえさせていただきます。

 

ワーママの熱き連帯

働く母親がネット上で何かを書こうとするとき、そのキイワードの筆頭にはどうしても「ワーキングマザー」(長いので、以下「ワーママ」と略します)が浮かびます。筆頭とは言わなくても、何番目かには必ず出てくる。働きながら(もとい、働いていなくても)育児をすることは、その当事者にとっては間違いなく人生の最重要事だからです。

そして、ワーママたちはネット上で群れやすく、また群れたがります。何故なら、子育て、あるいは子育てと仕事の両立についてのリアルな情報や共感を渇望しているからです。ここには、子供のいない女性からは決して見えない求心的な連帯感があります。

私がこれを実感したのは、出産直後にTwitterを使い始めてからでした。直近の事情はわかりませんが、Twitterのヘビーユーザーだった2、3年前は、#wmjpというハッシュタグの周辺にいました。Working Mothers in Japanの略です。

ここには、子育てと家事・育児をいかに両立しキャリアアップを図るかという問題意識をもったバリキャリ系ママたちが集い、お役立ち情報を交換したり、互いに励まし合ったりしていました。ここで知り合いフォローし合っていたママが息子の保育園に転園してきて、「あの方ですね!」なんていう出会いもありました。同じようなネット上のワーママ・ネットワークは、ブログの世界にもあるようです。

 

ところが、このワーママ連帯には、2つの落とし穴があることに気づき始めたのです。

 
ワーママ連帯の落とし穴

そのひとつは、ワーママ同士の考え方が似通ってきてしまい、没個性化していくこと。もちろん、個々のワーママは仕事もおかれた環境も異なっており、千差万別です。にもかかわらず、ネット上でひとたび寄り集まると、家庭や職場ではなかなか出せない本音が大きな共感のうねりへと成長していき、価値観の方向性がどうしてもある一定のベクトルに引っ張られていくのです。

たしかに、待機児童問題も、仕事と育児両立のためのライフハック術も大切だし、他人事じゃない。でも、子供をわりとすんなり保育園に入れられた私個人にとっては、待機児童問題ってそんなに重要だっけ。ネット上で、何をこんなに憤ったフリをしてるんだろ?

仕事と育児の両立も、うちなりのやり方でそれなりにうまく回っているし、同じ園のママとの情報交換でじゅうぶん間に合ってる。それなのに、Twitterのタイムラインはライフハック情報だらけ。私もここらへんでひとこと呟かないとダメ?

そんな無意識の同調圧力に、窮屈さを感じたのです。

 

そしてもうひとつ、特に問題だと感じている落とし穴は、このように内向きになっていくので、ワーママ同志や「イクメン」グループの外への関心や発信が疎かになってしまい、外部の人たちからは「仕事と子育て以外はなにも考えてない、自分とは無関係な人たち」に見えてしまうのではないかということです。

 これに気づいたきっかけは、(チェコ好き)さんという20代女性のあるブログ記事でした。

25歳=「アラサー」に突入した私は、どこかで人生のスイッチが入れ替わったようです。ここからは、直感と本能だけではダメなんだ、とわかった。戦略を立てないとアカンと思うようになったのです。 だから、「40代・無職・独身」の方のブログを読んで、人生の予習をしているのだと思います。これはたぶん、結婚していたり子供がいる方のブログではダメなんです。そういう方々は、徹底して自分を深堀りし、孤独と対峙するような文章をあんまり書いてくれません。私が探せていないだけかもしれないけど

招かれている? - (チェコ好き)の日記より抜粋。ちなみに、この記事が書かれたのは2年近く前ですが、(チェコ好き)さんはその後も子供がいる女性作家やブロガーに関する記事を書かれていないようなので、このお考えはおそらく変わっていないと思われます。)

これを読んだとき、私は「くそう、悔しいな」と思いました。でもそれと同時に、「さもありなん」と納得したのです。

私が独身の頃も、自分のこれからの生き方を考えていくうえで参考とし、より説得力を感じていたのは、子供のいない女性が書いた文章が多かった記憶があります。上野千鶴子先生のようにラディカルなフェミニストから、酒井順子さんのようにソフトな独女エッセイストまで。

独身で結婚予定もない女性にとっては、子供のいる生活はいくら想像しても身近には感じられませんよね。それなら、自分と同じように独身の先輩たちがいかに自分と向き合い、個として生きているかを参照する方がよほど現実味があります。

すると、どうなるか。(チェコ好き)さんのように知的でしっかりものを考えている若い女性たちにとって、結婚や子育てがますます遠い他人事になってしまうのではないでしょうか。

 

落とし穴から抜け出して

ワーママがネット上でわらわらと群れることにはそれなりに意味があり、有効だとも思います。特に出産したばかりの頃は、本当に助けられました。

でも、いまは、ワーママ同士で顔を突き合わせ、「ああでもない、こうでもない」と言い合っている輪から一歩抜け出して、外の世界に呼びかけたい。

特に、結婚・子育て予備軍、あるいは予備軍にエントリーさえしていない若い人たちに、「徹底して自分を深堀し孤独と対峙」した先に結婚や出産を選ぶ人たちもいるし、結婚生活や育児をしながらでも、自己を掘り下げ続けることもできるということを伝えたいのです。

そして、「子育しながら働くのも悪くなさそうだな」と思ってもらえたら、これ幸いです。