生き方

女子英学塾

それは8月の終わりだった。 息子に宛てた10歳の誕生日の手紙を書き終え、図書カードと一緒に封をして投函したあと、私はほぼ20年ぶりで卒業した大学へと向かった。 息子の誕生日の翌日は養育費をめぐる調停の3回目で、その次の日は自分の誕生日だった。調停…

出る杭

離婚してもう2年が経つ。そのあいだに自分の中でなによりも一番変わったのは、出る杭になること、正確には、出る杭であることを恐れなくなったことだ。 子どもの頃から、人より物事や他者の心理をよく見抜いてしまうこと、「もっとこうすればいいのに」と気…

祈りの時間

特定の宗教を信仰してはいないけれど、宗教心はある方だと思っている。 信仰とは、ある特定の神や仏、あるいはその宗教・宗派の教義を深く信じ、その教えに殉じようとすることだろう。 他方、宗教心というのは、神や教義といった対象に関わらず、この世には…

初夏のドライブ

あちらこちらで若葉が芽吹き、初夏が近づいている。 元夫は花粉症が酷かったので、少し症状が落ち着いてくるこの時期に、車で旅に出ることが多かった。 行き先も旅程も夫が決めた。一応どこに行きたいかと尋ねてくることはあったけど、結局は好きなようにし…

街場の女

(2017年6月15日の夫宛てメール) 先日のあなたからの対案について考えました。話をまとめると、以下のとおり。 ・私に出て行くと言われてから急遽考え、海外に2年くらい英語の勉強をしに行こうかと思っている。できれば(本人の父親の)一周忌前の10月くら…

理想の母親像 2017

同僚と飲みに行く前日、夫が息子に言いました。 「会社の人と飲みに行くなんて、お母さんも本当は嫌なんだよ。そんなことより、毎日早くうちに帰ってマチオとみんなで晩御飯が食べたいけど、これも仕事だから仕方ないんだ。ね、お母さん?」 ああ、まただわ…

プロポーズから離婚宣言まで

このブログを細々と読み続けて下さっている貴重な読者のみなさんは、前回の離婚宣言にさぞ驚かれたかと思います。星もつけられず、どう反応したらいいのかもわからず、固唾を飲んで次の記事を待たれていた方もいるかもしれません。意表を突いてしまい、すみ…

無糖ミルクコーヒー

東京は山と谷の都市である。先月末から働き始めた職場の最寄駅は、都心の谷底のさらに地下にあり、そこからオフィスビルまでは何基ものエスカレーターを上り継いでやっと辿り着く。そのビルは「山」の名を冠する土地のいちばん高い地点、つまり山頂にあり、…

本丸を、攻めろ。

あーーー、ショックです。 数日前のことなのに、いまだショックが冷めやらず、ずっとそのことばかり考えています。 それは、通信制大学の准教授、A先生の言葉。 あまりにも正論で、あまりにも身に沁みて、返す言葉が見つからないくらいでした。 大学の仲間数…

「ある恋愛」のフィールドワーク報告(成功例)はじめます。

二村ヒトシ著『すべてはモテるためである』のSkype読書会に関する参加者の皆さんの感想エントリを、楽しく拝読しました。この本、以前から面白そうだなーと思いつつ、未読のままなのです。 ※ご注意※ このエントリはSkype読書会の感想記事から着想を得ただけ…

今年は本気で書きます。

松の内もすっかり明けてしまいましたが、今年もどうぞよろしくお願い致します。 年明け最初のブログに相応しく、今年の抱負を掲げてみます。毎年、わりと律儀に前年の振り返りと翌年の目標設定をするタイプです。「出産前の体重に戻す」「ステキインテリアの…

髪結女と伊達男

お久しぶりです。通信制大学の方がしばらく忙しかったのと、このエントリを書くのに時間がかかったために、すっかり間が空いてしまいました。今回のエントリは、前回の記事の後編―というよりも、実は、こちらが本題です。 前回の記事、「結婚相手の選び方」…

人生後半戦に向けて、「人生の100のリスト」をつくろう。

今日はこちらの記事について。 人生でやりたいことリスト100 ー原体験にこそ価値があるー - ヘンテナブログ そうそう、私もね、「人生の100のリスト」をつくってあるんですよ。 「人生の100のリスト」とは何か 私がこのリストについて最初に知ったのは、…

アラフィフ男の旅が始まる。

ひと月ほど前のこと。 夫が「ゆっくり話をしたい」と言うので何事かと思ったら、仕事を辞めたいと切り出しました。 ストレスが溜まっていそうだと感じてはいたけれど、五十路を2年後に控えた子持ちの男が仕事を辞めるとは、只事ではありません。 一体、何が…